情勢報告　保育における国の政策動向と現場への影響

報告①　逆井直紀（保育研究所）
保育制度の基本（児童福祉法２４条１項）をおさえつつ、国の動きをみる
― 2026年度予算の動向、配置基準・処遇改善は？

報告②　浜田真一（保育研究所）
保育指針改定論議、保幼小接続プログラム、虐待防止などを中心に

午後の部　13時30分～17時00分

シンポジウム　誰でも通園制度への対応と保育制度のあり方

　2026年度から本格実施となる「こども誰でも通園制度（乳児等通園支援事業）」は、これまでの試行的な事業とは異なり、利用にあたって行政は関与しない直接契約、しかも広域利用の仕組みとなります。最新情報をふまえつつ、現場からの報告を交えながら、権利保障の拡充の視点で、どのような歯止めをかけるのか、すべての子どもを視野に入れた保育制度全体をどう拡充するのか等について論議します。

報告①　岩藤智彦（保育研究所）
改めて問う！ 本格実施となる「こども誰でも通園制度」とはどんな制度か
― 最新情報を踏まえて、制度の全体像を捉えなおす

報告②　加藤雅美・小西文代（愛知／社会福祉法人新瑞福祉会・たんぽぽ保育園）
実際に誰でも通園制度に取り組んで

報告③　京都・公立園の取り組み
公立園における実施状況 ― 利用者の拡大、支援システムの影響など

報告④　木下秀雄（大阪市立大学名誉教授）
これからの保育制度のあり方を問う ― 保育を受ける権利の視点から

講演　子どもの権利と憲法９条
保育に関わるベテランも新人も、その意義を一緒に学び、語り合うために

堀尾輝久（東京大学名誉教授、９条地球憲章の会代表、子どもの権利条約市民・NGOの会元会長）

　専門は教育学・教育思想史。研究を通じて国民の教育権と教育の自由や、子どもの権利条約、人権思想の発展に寄与されてきました。平和運動にも尽力され、「９条を世界のルールに」と憲法９条の理念を地球規模で発展させるために「９条地球憲章の会」を設立し、活動をされています。

本企画のみ会場（保育プラザ）設定し、研究集会の参加者以外に開放します。

　子どもたちをバラバラにする「個別最適な学び」やデジタル化。国・財界に都合の良い存在となるよう、管理・統制され、自由を奪われる子ども、学校、教師。一方で、そうした新自由主義教育改革による「人材育成」「自己責任」論に抗って奮闘する教師たちがいます。現実をみすえ、本当に大切にしたいことは何かを語り合います。

報告①　児美川孝一郎（法政大学）
新自由主義教育改革・デジタル化は教育現場に何をもたらしたのか

報告②　山﨑直緒子（東京都公立小学校教諭）
子どもとともにつくる豊かな小学校の学び ―「人材育成」「自己責任」論に抗って

　子どもの育ちと学びの視点から、子どもの姿と実践の課題の共有・連携をどうすすめるのか。保育の側から小学校へのアプローチについてともに考えます。

報告①　長瀬美子（大阪大谷大学）
子どもの育ちから考える接続問題の現状と課題

報告②　土田明子（大阪／あおば福祉会）
小学校との接続を考える地域のとりくみ