「最低基準一部改正」省令案のパブコメに意見を!
厚生労働省は、11月9日に保育所等におけるバス送迎に係る安全確保のためとして「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令案」を示しパブリックコメントを、以下のように提起しています。
「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令案に関する意見募集」
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495220223&Mode=0
改正内容は、施設に対する安全管理の徹底強化・安全装置の設置
その内容は、バスでの事故防止のために、ⅰ.施設及び運営の基準に、施設に安全管理を徹底させるための規定を加えるとともに、ⅱ.送迎バス車内での見落とし防止装置の使用を義務づけるというものです。
安全管理の強化は重要な課題ですが、施設側に、安全管理を徹底する義務を課すだけでなく、①そうした課題を遂行するに足る職員体制(職員配置基準の改善などによる増員)を確立すること、②行政として施設側が実際に対応しているかどうかを確認するために実地検査を徹底すること、などを求める必要があります。
厚労省は、このパブリックコメントの意見の締め切りを12月8日とし、12月下旬に省令を改定し、2023年4月からの施行をめざしています。バス置き去り事故対策を、施設に対する安全管理の徹底強化、安全装置の設置にとどめず、配置基準改善へつなげるよう、パブリックコメントへの意見応募を呼びかけます。
パブリックコメントへの意見案
- 送迎バスの安全確保のために、児童の所在確認を行うことや、安全装置の使用を、施設に義務づけることは必要といえますが、真に安全を確保するには、保育所等の職員配置基準を抜本的に引き上げるなど職員体制の拡充が不可欠です。この点が対策から抜けているのは問題です。早急に基準等を引き上げてください。
- 子どもの送迎については、安全確保の面からも慎重に対応すべきです。3歳未満児など幼い子どもの場合はなおさらです。真にやむを得ず送迎を行う場合でも、相応の備えが必要です。行政としてその条件整備について、責任を負う必要があることを明確にしたうえで、条件整備などをすすめるべきです。
- バス送迎時の安全確保のためにも、施設における実施状況を行政として確認する必要があります。自治体における施設に対する指導監査において、実地検査は欠かせません。厚労省は、児童福祉施設に対する実地検査を省略できる規制緩和を実施しようとしていますが、断固反対です。
逆に、すべての子どもに関わる施設で、実地検査を行うよう、自治体における人員の増員など、監査体制の強化や、関係法令の整備など必要な措置をとるべきです。
以上をもとに、現場の状況なども加味して意見を提出しましょう。締め切りは12月8日です。
また、交流のためにぜひ提出した意見を、全保連にお寄せください。
<参考>
このパブリックコメントの他に、
・認定こども園(内閣府)
・幼稚園・特別支援学校など(文科省)に対しても、同様に、各々別のパブリックコメントが提起されています。
(内閣府)
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=095220840&Mode=0
(文科省)
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185001266&Mode=0