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(13.03.09)全保連ニュース第0号 国庫補助を活用して、保育所の増設・改善を

月刊『保育情報』速報版 全保連ニュース 第0号(創刊準備号) 2013.3.9
情報1 国庫補助を活用して、保育所の増設・改善を
延長される「安心こども基金」、公立保育所にも活用できる「地域の元気臨時交付金」に注目!
情報2 規制緩和の動きが再加速!?
面積基準緩和対象に4市区追加/改革会議−配置基準緩和を最優先案件に
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国庫補助を活用して、保育所の増設・改善を
延長される「安心こども基金」、公立保育所にも活用できる「地域の元気臨時交付金」に注目!


東京都杉並区からはじまった、保護者の集団異議申し立て行動は、他の区や市に広がり、認可保育所の増設が課題として、再度注目を浴びるようになりました。
保育所増設のために活用できる国の補助金としては、まず「安心こども基金」があります。この間、1年度ごとの積み増し、延長を繰り返してきましたが、来年度の整備に関わっては、2012年度予算の予備費から、追加で積み増しされました(来年度予算の詳しい解説と資料は、月刊『保育情報』の2・3月号「速報」欄を参照下さい。なおこの追加分のうち保育所整備に関わる厚労省分の額は118億円にすぎません)。
来年度も安心こども基金が存続することは、要求運動を重ねてきた成果といえますが、額も十分でなく、また、1年ごとの延長を繰り返すという国の対応では、財源不足などを理由にして認可保育所の整備に消極的になっている市町村を変えることはできません。さらに、安心こども基金には、公立保育所の整備には使えないという問題もあります。多くの公立保育所では、財源不足を理由に、老朽化が進む施設の建て替えや改修、耐震対策などが先延ばしされてきました。

●公立保育所の建て替え等に活用できる交付金
そうした中で、2012年度の補正予算に計上された「地域の元気臨時交付金」(地域経済活性化・雇用創出臨時交付金)が活用できることがわかりました。
内閣府資料「地域の元気臨時交付金(地域経済活性化・雇用創出臨時交付金)の概要について」(PDFファイル)
この内閣府が所管する予算の総額は1兆3980億円で、地方負担を軽減することで公共事業を進展させる特別措置として組まれ、補助率が法定されていない地方単独の建設事業などに対する負担額の8割程度を、交付金として還元するものです。交付金を受けるには、この事業の実施計画に、公立保育所の関連事業を盛り込ませることが必要ですが、計画スタート時に事業量が確保できない場合でも、基金に積み立て、年度後半や14年度に活用することも可能との説明がされているようです。また、財政力の弱い自治体は9割交付まで引き上げられます。
この予算にいち早く着目した大阪保育運動連絡会では、府下の各自治体に働きかける際に、できるだけ具体的に公立保育所名を出し、耐震化や改修によって待機児童対策が進むなど保育施策の充実に関する要望とセットで、担当課に働きかけることを、関係者に呼びかけています。
安心こども基金にせよ、この元気臨時交付金にせよ、その積極的な活用が求められますが、問題状況を解決するには、市町村への働きかけとともに、市町村が計画的に認可保育所の整備を進められるよう、国として整備計画を樹立し保育所整備のための大胆な予算措置が必要です。
この問題は、全国保育団体連絡会等が参加する「よりよい保育を!実行委員会」による2012年度の国会請願署名でも、項目をたてて国に求めてきたことであり、3月8日に実施した国会要請行動でも、強調して要請した点でもあります(なお、3月8日の行動の報告は次号で行う予定です)。
今後も取り組みを強めましょう。


規制緩和の動きが再加速!?
面積基準緩和対象に4市区追加/改革会議−配置基準緩和を最優先案件に


低い保育の基準をさらに引き下げようという規制緩和の動きが政府内で活発化しています。
●面積基準の特例対象地域に4市区追加
地域主権改革一括法により、保育所等の最低基準が、地方条例によって定められることになり、今年4月にはすべての都道府県・政令市・中核市の地方条例が出揃うことになります(その状況は月刊『保育情報』の2〜4月号を参照下さい)。
この条例化にあたって、厚労省が省令で定める設備・運営の基準のうち、通常「従うべき基準」として扱われるべき保育所の面積基準が、「標準」として扱われ、自治体の判断で基準引き下げ可能になる特例措置の対象となる指定自治体(前々年度の待機児童数と地価の上昇率によって判断)が拡大することになりました。
この指定は、厚労大臣告示によってなされますが、昨年度から指定された35市区に加え、2013年4月1日より「渋谷区、武蔵野市、小金井市、朝霞市」が新たに追加されることになりました。

●保育サービスの規制緩和が最優先案件に
政権交代によって、新たな規制改革会議(議長−岡素之住友商事相談役)が、2013年1月から論議をスタートさせています。2月25日の第三回会議では、「保育サービスの規制緩和 1.認可保育所の保育士の配置基準の緩和、2.株式会社やNPOなど多様な事業体の認可保育所への参入」が、その他の3項目とともに、最優先案件として「早期に解決をめざす」課題として確認されました。
このように、面積基準の規制緩和のみならず職員の配置基準まで、再び緩和の対象にしようとする動きに注意を払う必要があります。
そこで今一度考えるべきは、これらの緩和も、待機児童問題の解消のための措置として実施されようとしている点です。
保護者の集団的な異議申し立て行動の広がりによって、待機児童問題が再び注目されるようになったことは、大きな前進です。しかし、子どものための保育条件の保障という視点を堅持した認可保育所の増設運動の広がりがなければ、先のような規制緩和を逆に促進することになりかねません。
今こそ、保育者と保護者の手つなぎを核にして保育運動を大きく前進させることが必要です。

居室面積基準が標準化される特例対象自治体(2013.4現在)
*東京都−中央区、港区、文京区、墨田区、江東区、大田区、世田谷区、渋谷区、中野区、豊島区、北区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区、立川市、武蔵野市、三鷹市、府中市、調布市、小金井市、小平市、東村山市、東久留米市、多摩市、西東京市 *神奈川県−横浜市、川崎市、藤沢市、茅ヶ崎市、大和市 *埼玉県−さいたま市、川口市、朝霞市 *千葉県−市川市 *京都府−京都市 *大阪府−大阪市 *兵庫県−西宮市


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