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【03.08.08】「行動計画策定指針(案)について」の意見

2003年8月8日
全国保育団体連絡会
会長 上野さと子

 「行動計画策定指針(案)について」全国保育団体連絡会として以下の意見を提出します。

I.基本理念、策定にあたっての視点及び手続きについて
1.次世代育成支援対策推進法において、すべての都道府県、市町村に保育サービスの充実や、地域子育て支援などの「行動計画」策定を義務付けたこと、また、市町村の計画を積み上げて国としての計画を策定するとしたことはこれまでにないことであり、すべての自治体で具体的な計画策定が行われることに期待するものです。
2.しかしながら次世代育成支援対策の「基本理念」は、「父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有する」としており、これをふまえての計画策定は、家庭に多大な子育て責任を負わせることになりかねません。
「計画策定に当たっての基本的な視点」において、「子どもの視点」「次代の親づくりという視点」「サービス利用者の視点」「すべての子どもと家庭への支援の視点」「サービスの質の視点」が盛り込まれていることは、これまで私たちが要望していたことでもあります。しかし、同時に「社会全体による支援の視点」「地域における社会的資源の効果的な活用の視点」については、「社会」という名の下に、児童福祉法第2条に定められた児童の育成における国・自治体の責任、及び次世代育成における国・自治体の公的責任と役割をあいまいにするものではないことを明記することを求めます。
3.「行動計画の策定に当たって必要とされる手続き」において「現状の分析」「ニーズ調査の実施」「住民参加と情報公開」があげられたことは、計画策定に当たって現状やニーズを重視し、それらを基本とするという意味で、大変重要だと考えます。計画をつくる都道府県、市町村がこの趣旨を充分理解し、かたちだけの現状分析やニーズ調査でなく、これら視点を尊重して計画策定に取り組まれるよう、期待するものです。

II 保育サービスの充実にかかわって
4.市町村保育計画に基づいてすすめることとされている待機児童の解消については、児童福祉法第24条に基づき、認可保育所を基本とすることを明記すべきです。いま、待機児については、希望する保育所に空きがなく他にあいている保育所があっても待機している場合は待機児としないという定義がされていますが、これは「利用者の意向を充分に踏まえた」ものではありません。また、「様々な規制緩和措置」や「民間活力を活用」して量的な充足を図ることは、「子どもの幸せを第一に考える」ことと矛盾するものです。これは現在行われている定員の弾力化などの規制緩和措置によって、詰め込み保育による子どもへのしわ寄せが広がっていることなどからも明らかです。これらの記述を削除し、「保育所の新設・増設により量的な充足を図る」ことが原則であることを明記すべきです。
 そのうえで、待機児解消を市町村保育計画の積み上げだけに依拠するのではなく、「待機児童ゼロ作戦」の成果と課題をふまえ、国として待機児解消に関する抜本的な計画を明らかにすることを望みます。
5.「保育サービスの質を担保」は、「サービス評価等のしくみの導入、実施等」の取組みをすすめるだけでは不十分であり、質を担保するための職員配置など、具体的条件整備についても留意するよう明記することを求めます。また、「ニーズ調査モデル」においても、質的な拡充の視点がなく、量的拡大を図る立場からのみのものとなっています。行動計画は量的拡大の計画だけでなく、質的拡充についても留意するよう明記してください。

III.財政措置について
6.市町村において今回の行動計画が実効力を持つためには、計画実行のための財政措置が確保されるかどうかにかかっています。計画策定を義務付けるだけでは計画倒れになりかねません。計画実行のためには、国による財政保障が不可欠です。国としての財政措置を充分に確保して、計画づくりを推進することを強く要望するものです。

最後に
 私たちはこの間、子どもの権利最優先の保育施策の拡充を求めて国に要望をしてまいりました。保育学を専門にする学者・研究者のアピール「経済効率優先でなく、幼い子どもの権利最優先の保育政策をー子どもに最善を保障する政策への転換を求めます」にはたくさんの賛同が寄せられています。ぜひ、このアピールの「緊急課題」なども参考にしていただき、「量的にも質的にも」保育施策が拡充されるような「策定指針」を作成されることを強く要望します。

全国保育団体連絡会
〒166-0001東京都杉並区阿佐谷北3-36-20
TEL03-3339-0219 FAX03-3310-2535


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